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中間管理職は読書せよ! 書籍から学ぶ人生の宝物 (自己啓発にお薦め)

書籍から学ぶ先人達からのプレゼント Kobo(楽天)やKindle(Amazon)などを通じて学んだ事を書籍レビューとして紹介

【GRIT(やり抜く力)】(原著:アンジェラ・ダックワース) 読了レビュー

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GRIT(やり抜く力)

人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」について、ハーバード、オックスフォード、マッキンゼーという経歴の「天才」心理学者が解き明かしたという。そんなのモノ本当にあるのか?と、感じながらも最近なにかと話題の「GRIT」について書かれた著書が気になり、読んでみた。

読もうかどうか、、、

 正直に言うと、そんなものがあればみんな成功するな…と、思った。決して安くはない出費だが、衝動買いで読み始めた。

読んで正解?

結論から言えば読んで正解。

当たり前の事が書いてあるとも言えるが、今回も「もっと早くこの本に出会うことが出来ていたら」と感じた。

皆さんも是非、一度は読むことをお勧めする。

以下にレビューを書いておく。

 

「GRIT(やり抜く力)」レビュー

はじめに

ここでは、父親から「才能が無い」と言われ続けた著者が、「天才賞」とも言われる「マッカーサー賞」を受賞した事について触れられている。小学生の頃には、優等生のための「特別進学クラス」の選抜試験にも受からなかった著者が、最終的に世界最難関の名門大学に次々と進学し、博士号を取得し、天才賞を受賞したのは、決して彼女が「天才」だったからでは無い。著者は次のように言う。

人生でなにを成し遂げられるかは、「生まれ持った才能」よりも、「情熱」と「粘り強さ」によって決まる可能性が高い

第1章 「やり抜く力の秘密」

 入学には並外れた努力を要するという米国陸軍士官学校。しかし、超難関の選抜を切り抜けたエリート達ですら、5人に1人が中退してしまう事を例に挙げて話は始まる。

厳しい試練を乗り越える人間は、何が違うのか?を研究テーマとして取り組む著者。著者の取組より遥か以前から軍隊でも、最後までやり抜く人間の予想方法は研究されていたが、その指標は見つからないままでいた。

様々なテストやデータ上で最上位クラスの人間と、最下位クラスの人間の中退する確率は、ほぼ同率。

諦めずに粘り強く情熱を持ってやり抜く力を持つ人間を見つけるための指標は無いのだろうか?

そういった取り組みの中で著者が作ったのは「やり抜く力が強いとはどういうことか」と言うことをその特徴がよくわかるコメント群。この「粘り強さ」と「情熱」に関するコメントに、どの程度賛同するかを測定するのが「グリッド・スケール」だ。

面白いのは、才能、体力、学力、適性の優劣と「グリッド・スケール」で測定した「グリッド・スコア」には、相関性が無いと言うこと。そして、如何に素晴らしい才能に恵まれていても、厳しい訓練や試練から脱落した人間のグリッド・スコアは低かった、という調査結果だ。

この結果は、陸軍士官学校グリーンベレーなどの軍事関係に限らず、営業職や学校などの教育の場でも共通であり、最も興味深いのは、この章で著者が結論づけた次の記述だ。

SAT(大学進学適性試験)のスコアと「やり抜く力」は逆相関の関係にあることがわかった。つまり、無作為に選ばれた学生たちのなかで、SATのスコアが高い学生たちは、ほかの学生たちにくらべて平均的に「やり抜く力」が弱かったのだ。この結果とそれまでに蓄積したデータを照合したところ、今後の研究の方向性を決定づける重要な洞察が得られた。すなわち、才能があっても、その才能を生かせるかどうかは別の問題だということだ

第2章 「才能」では成功できない

マッキンゼーを辞めて教師となった経緯を持つ著者が、教育の現場である事に気付いた。呑み込みの早い子供が良い成績を修めるとは限らないという事だ。良い成績を修める子供達の共通点は、粘り強く問題や課題に取り組む事だと言う。その事を徹底的に探るために教師を辞めて心理学者を目指した著者は、大学院での研究で「成功する者と失敗する者を分けるのはなにか」というテーマについて、もっとも初期の研究者であるフランシス・ゴルトンを知る。ゴルトンは、あの有名なダーウィンに「偉業を成し遂げた人物には3つの顕著な特徴すなわち、稀有な「才能」と、並外れた「熱意」と、「努力を継続する力」をあわせ持っている」と伝えた。それを受けたダーウィンは、自分には特別な才能は無いとした上で、次のように答えている。

「私がふつうの人より優れている点は、ふつうなら見逃してしまうようなことに気づき、それを注意深く観察することだろう。観察にかけても、事実の集積にかけても、私は非常に熱心にやってきた。さらに、それにも増して重要なことは、自然科学に対して尽きせぬ情熱を持ち続けていることだ」

 またその40年後、アメリカで、ハーバード大学教授のウィリアム・ジェイムズが、「目標の追求において、人びとにどれだけの差が見られるか」という問題を採り上げた研究テーマの中で、

「人間は誰でもはかり知れない能力を持っているが、その能力を存分に生かし切ることができるのは、ごくひとにぎりの並外れた人びとにすぎない」

と結論づけた。それなのになぜ私たちは「才能」を重要視するのだろうか? 私たちはさまざまな能力を持っており、いくらでも伸ばす余地があるのに、なぜすぐに「能力の限界」だと思ってしまうのだろうか? 将来なにを成し遂げられるかは、努力ではなく才能で決まると考えてしまうのはなぜだろうか?

第3章 努力と才能の「達成の方程式」

オリンピック選手の圧倒的なパフォーマンスを目にした我々は「並外れた才能の持ち主」と賞賛し、片付けようとしてしまう。その裏側に秘められた、気が遠くなるような無数の努力には目を向けようとせずに。

この事について著者はニーチェの言葉を引用している。これを読めば我々が自分の弱さから目を逸らす心理をはっきりと自認できる。

「天分だの、天賦の才だのと言って片付けないでほしい! 才能に恵まれていない人びとも、偉大な達人になるのだから。達人たちは努力によって偉業を成し遂げ、(世間の言う)〝天才〟になったのだ。……彼らはみな、腕の立つ熟練工のごとき真剣さで、まずは一つひとつの部品を正確に組み立てる技術を身につける。そのうえでようやく思い切って、最後には壮大なものを創りあげる。それ以前の段階にじっくりと時間をかけるのは、輝かしい完成の瞬間よりも、むしろ細部をおろそかにせず丁寧な仕事をすることに喜びを覚えるからだ」

更にこの章で著者は重要な方程式について述べている。

学生として心理学の研究に取り組んでいた著者は、当時の教授から「分析ばかりで理論が無い」と指摘される。この事にショックを受けた著者がたどり着いた以下の理論(方程式)が、素晴らしく理解しやすい。

「才能」×「努力」=「スキル」 そして、

「スキル」×「努力」=「達成」

有名な陶芸家、ウッディ・アレン、ウィル・スミス等々の様々な成功者を例に、上の方程式が「ピタリ」と当てはまる事がこの章の中で明確に示されている。

第4章 あなたには「やり抜く力」がどれだけあるか?

この章では、「粘り強さ」 と「情熱」から構成される「やり抜く力」を測定する「グリッド・スコア」を自分自身で実際に試す事ができる。

「粘り強さ」と「情熱」についてそれぞれ測定できるグリッド・スコア。個人によって違いはあれども、一般的には「粘り強さ」のスコアが「情熱」を上回るケースが多いという。著者は、「粘り強さ」と「情熱」の相違点についてもこの章に記している。

情熱とは、継続して取り組む力であり、

偉業を成し遂げた人たちに、「成功するために必要なものは何ですか?」とたずねると、「夢中でやること」や「熱中すること」と答える人はほとんどいない。多くの人が口にするのは「熱心さ」ではなく、「ひとつのことにじっくりと長いあいだ取り組む姿勢」なのだ

と言う。また、継続して取り組む為に必要な「動機」について著者はこの章で「哲学」を挙げて説明している。

日々の目先の目標は、あくまでも「手段」として捉えるべきであり、そのこと自体の成功や失敗よりも、その「手段」を用いて到達すべき場所として「人生で何をやり遂げたいか」という最上位の目的(哲学)を強く意識すべきだ、としている。この考え方は、ブレずに継続して物事に取り組む為に充分過ぎる動機となる。

第5章 「やり抜く力」は伸ばせる

遺伝の要素と経験から形成される「やり抜く力」は、伸ばすことが出来ると言うことが書いている。そもそも遺伝による一つの形質の発現は、多数の遺伝子によって形成されるため、一概に遺伝による要素が大きいとか小さいとは言いきれない。しかし経験や、それらを取り巻く環境により大きく影響を受けることは間違いのない事実であるという。甘えは許されないという環境だけで人の行動が一変することは決して珍しいことではないし、年齢を重ねることで性格や人格が変化していくことも日常的に経験できる事だ。

そう言った事をベースとして「興味」「練習」「目的」「希望」という自分でコントロール可能な4つの要素に着目して「やり抜く力」を伸ばす方法を示してくれるという。

第6章 「興味」を結びつける

情熱を継続して物事に取り組む人達は社会的に大きな成功をおさめているケースも多い。Amazonを立ち上げたジェフ・ベゾスを初めとする200人以上の「メガ成功者」達にインタビューしてみると、全員が口にする言葉は「今日も仕事ができるのが嬉しい」という事らしい。何かのためにやらなくてはいけないのではなく、単にやりたいと言うことだ。

この章では、好きな事や興味のある事を仕事について、その是非や手段についてふれている。自分自身が「やりたいこと」を見つけることができれば興味を継続して向き合うことになり、結果的に努力は継続しスキルアップし、更なる努力を継続出来るようになることで、成功へとつながると言うわけだ。

第7章 成功する「練習」の法則

10年やって成功する人と成功しない人がいる。その違いは何か?と言うことが書かれている章。漫然と訓練を続けていても効果は薄い。自分の弱点を明確に把握し、その克服を目指す「意図的な練習」をどれだけできているかが、結果に大きな違いを生じるという。「意図的な練習」は基本的には苦痛を伴う。通常なら1時間、長くても3時間程度の継続が限界という。練習時間の中に「意図的な練習」の時間をどれだけ持てたか、が成功までのスピードを決めている。

第8章 「目的」を見出す

あることに「興味」を持ち、次にそれに真剣に取り組み、最後にそれを「目的」にまで昇化する事が出来れば、努力は継続し、成功へと近付くことは想像に容易い。しかし「目的」を見出すと言うことは、その事(仕事など)が自分だけではなく周りの人や社会の役に立つと感じる、と言うことであり、今向き合っているその事が、それに値すると感じる人は少ない。この章では次のような寓話からスタートし、「目的の見いだし方」について触れられている。

ある人がレンガ職人に「なにをしているんですか?」とたずねた。すると、三者三様の答えが返ってきた。

1番目の職人は「レンガを積んでるんだよ」

2番目の職人は「教会をつくっているんだ」

3番目の職人は「歴史に残る大聖堂を造っているんだ」

1番目のレンガ職人にとって、レンガ積みはたんなる「仕事」にすぎない。2番目の職人にとって、レンガ積みは「キャリア」。3番目の職人にとっては、レンガ積みは「天職」を意味する。

同じ事をしているにも関わらず、取り組む姿勢は三者三様。また、様々な調査から別の事が判明している。それは、様々な職種の人々に対して、今の自分の仕事が「仕事」「キャリア」「天職」のうち、どれに当てはまるか、と言うアンケートを行った結果、殆どの職種について同じ割合で、3つに分かれていたと言う事実だ。

自分自身が今取り組んでいる仕事は「天職」ではないと言い切ることはできなくなる。「天職」は見つけるものでも、巡り会うものでもなく、「自分自身が感じる」ものなのだ。

第9章 この「希望」が背中を押す

七転び八起き、不屈の精神はどこからくるのか?様々な実験や調査の結果から判ったことは、挫折による無力感も、「なんとかなる」と感じる楽観性も、どちらも学習性があるという事実。失敗から学ぶのか、諦めるのか、感じ方の違いは周りの指導者(メンター)の関わり方も大きな影響を及ぼす事も判明している。親として自分の子供達への接し方を反省してしまう章だ。良くない結果が出たとしても「状況は変えることができる」と言う姿勢を自ら示していくことの重要性が挙げられており、成長思考を持ち、それを訓練により鍛え上げることで「やり抜く力」を伸ばす事も提案されている。

生まれつきの知能や才能に左右されることなく、楽観的に考える訓練をし、良い指導者(メンター)に力を借りる(相談する)事が大切。

 

第10章 「やり抜く力」を伸ばす効果的な方法

身近な人間、特に我が子の「賢明な子育て」について迷い悩む親は多い。どうすれば我が子の「やり抜く力」を伸ばすことが出来るのか?というこがこの章では触れられている。

著者は「やさしい育て方」 と「厳しい育て方」のどちらが良いのか?と聞かれる事が多いという。それに対し、本章では対照的な家庭環境で育てられ、各々が大きな成功を収めた人物達の例を挙げた上で次のように書いている。

やさしい育て方」と「厳しい育て方」は、どちらか一方しか選択できないようなものではない。「愛情ゆえの厳しさ」について、「愛情をもって子どもの自主性を尊重する」か、「断固たる態度で親の言うことを聞かせる」か、そのふたつのあいだの妥協点を探ることだと考えるのは、まちがっている。現実的に考えて、それらが両立できない理由などひとつもない

 また、子供達は両親をはじめとする兄弟、教師、友人等を真似るという本能を持っている。そういった周りの人々が「手本とされている」と言うことだけではなく「支えてくれる」と感じられているという事を認識して接するべきである、と言うことがこの章には詳しく書かれている。

第11章 「課外活動」を絶対にすべし

ピアノやサッカー等々「ならいごと」を課外活動として取り組むことは、厳しくも温かい指導者のもとで「やり抜く力」を磨く訓練になる。親には甘えてしまったり、また、甘やかしてしまったりするからだ。課外活動に2年以上継続して取り組み、またその中で何らかの実績(リーダー経験がある、上位入賞経験がある等)を残した人達は、その後の人生で成功している確率が高いことが判明している。

困難を乗り越えて努力を継続すれば成果が得られる、という経験を「学習」する事が「やり抜く力」を伸ばす「練習」となり、その結果が自信へとつながると言う好循環の効果と言うわけだ。ハーバード大学マイクロソフト社の人材選考の場でも、課外活動への取り組み期間や実績の有無が選考の中で重要な基準となっていると言うことも実に興味深い。

第12章 まわりに「やり抜く力」を伸ばしてもらう

やり抜く力を鍛えるためには、やり抜く力の強い集団に所属するのが良いという。水泳オリンピックの選手達の練習は、早朝の4時から始まる。格下のチームから上がってきた選手達も、あっと言う間に全員が早朝から練習を始めるように変貌するという。「人は自覚の有る無しに関わらず、回りのやり方に合わせるようにできている」という性質をうまく利用することがポイントだ。次の一節が大変印象に残った。

やり抜く力を身につけるにも、大変な方法とラクな方法があるということでしょう。大変な方法は独力でがんばること。ラクな方法は同調性を利用するんです。集団に溶け込もうとする人間の基本的な欲求をね。やり抜く力の強い人たちに囲まれていると、自分も自然とそうなるんです

 この章では、リーダーの立場としてメンバーの「やり抜く力」を高める手法についても触れているので、こちらも是非試してみたい。

第13章 最期に 

やり抜く力は伸ばせる。自分自身で内側から伸ばすこともできるし、周りの人達の影響力を利用して外側から伸ばすことも出来る。やり抜く力が強すぎて困ることも無い。

「やり抜く力」が強いということは、一歩ずつでも前に進むこと。

「やり抜く力」が強いということは、興味のある重要な目標に、粘り強く取り組むこと。

「やり抜く力」が強いということは、厳しい練習を毎日、何年間も続けること。

「やり抜く力」が強いということは、七回転んだら八回起き上がること。

 「天才」という言葉を「努力もせずに偉業を成し遂げること」と定義するなら、天才ではない人も多い。

しかし、「天才」とは「自分の全存在をかけて、たゆまぬ努力によって卓越性を究めること」と定義するなら、そしてその覚悟があれば、誰もが天才となりうると言うことになる。

 

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やり抜く力

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